帝都大震災画報 新吉原遊廓仲之町猛火大旋風之真景

題名ヨミウラノギンジロウ
作者 浦野銀次郎
時代大正時代
解説新吉原遊廓仲之町猛火大旋風之真景
1923(大正12)年9月1日の関東大震災の状況を描いた石版画で、両端には被害状況が記されています。
当時は既に写真製版技術が取り入れられ、震災の特集を組んだグラフ雑誌も出されていましたが、石版印刷『帝都大震災画報』は主観的要素を盛り込んで悲惨な状況を伝えることができ、また写真と比べ安価で済むことなどから、震災後の混乱状況の中で情報媒体とした役割を果たしました。当画は、吉原遊郭の妓楼三百棟が倒壊し火災とともに旋風が発生し、人力車が舞い上がり火災が拡大する中、人々が避難する様子が描かれています。多数の死者を出した吉原公園内にある吉原弁天社の池、弁天池(花園池)に四方から迫る火災に多くの人が飛び込みましたが、池の底は泥状になっており、次から次に飛び込む人たちが池を埋める形になり、多くの焼死、圧死、溺死の犠牲者を生み出す悲劇が起こりました。左上に挿入されている絵は、花園池で亡くなった方への線香をあげる姿が描かれています。

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