アルベルト・ジャコメッティ

作者名欧文Alberto GIACOMETTI
生没年1901 - 1966

略歴・解説

スイスの小さな村スタンパ(イタリア国境の近く)に生まれる。父はスイスの印象派画家として名高いジョヴァンニ・ジャコメッティ。ジュネーヴの美術工芸学校で彫刻を学んだあと、ヴェネツィア・ビエンナーレのコミッショナ一であった父に連れられ、イタリアに旅行、各地をまわった後ローマに約1年滞在。このイタリアでの美術体験はのちの彼の仕事に大きな影響を与える。1922年21歳の時パリに出て、アカデミー・ド・ラ・グランド・ショミエールのブールデルの教室に3年学び、その後キュビスムの影響をくぐり抜けた後、象徴的なオブジェを制作。また《午前4時の宮殿》など空間構成を持つものや、運動の錯覚を与える彫刻など、モビールの先駆けとなるような作品も制作した。それらはシュルレアリストたちから高い評価を与えられ、1930年から35年はこのグループの代表的彫刻家とみなされたが、その後「超現実」ではなくて、現実の写生に基づく仕事を開始、A.ブルトンから離れる。彼のいう「見えるがままに」とは、視覚を単に線や色の知識に置き換えることではなく、彼の眼差しが取り込む対象とそれを取り巻く空間を三次元の中に彼自身の知覚として認識し、表現することであった。1948年ニューヨークの画廊で展示された彼の細長い彫刻は、以後急速に評価を高め、彼の仕事は20世紀彫刻の中で必ず語られるものとなった。1966年故郷スタンパで心臓発作にて急逝。

1994年『ロダン館』、p. 184

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