南仏古村(ムーアン・サルトゥー)
作品名よみ | なんふつこそん(むーあん・さるとぅー) |
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作品名(欧文) | Old Village in Southern France (Mouans-Sartoux) |
作者 | 長谷川潔 |
種別 | 版画 |
受入番号 | 606 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | P-015 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 13.6×37.8(紙 33.3×51.0) |
材質 | 紙、メゾチント |
材質英文 | Mezzotint on paper |
制作年(西暦) | 1925 |
制作年(和暦) | 大正14 |
記銘、年紀 | (右下)Kiyoshi Hasegawa (左下)ép. d'artiste (右下)エンボス(空押し)KIYOSHI HASEGAWA 1925 FRANCE (左下)“Vieux Village provinçal(Manière Noire) |
受入年度(西暦) | 1983 |
受入年度(和暦) | S58 |
受入方法 | 鈴木光氏寄贈 |
キーワード | 風景 |
解説 | カンヌ北方の小村、ムーアン・サルトゥーに取材した、作者ごく初期のマニエール・ノワール(メゾチント)による作品。マニエール・ノワールとは、本来ベルソー(ロッカー)と呼ばれる道具で版面全体を微細な点状の傷で埋め尽くし、後その凹凸を部分的に磨いて微妙な諧調の明暗を創り出す銅版直刻法の一種。17世紀の発明以来絵画の複製手段として用いられて来たものの、写真の発明以降は殆ど顧みられなくなっていた。作者は、細粒点で版画を覆う代わりに、無数の密な平行線の交叉からなるクロスハッチングを用い複製の手段としてでない、表現内容にも直接関わる技法として、このマニエール・ノワールを復活させた。若干の不規則さを含んだその無機的な刻線の反復は、過度の厳格さを感じさせることなく、幾何学的美しさを持つ建物を配した厳密な構図の画面の中に、程よい統一感と清新な雰囲気を醸し出すことに成功している。静謐なモチーフ、厳格な構図と技法の内に自然界の秘められた摂理を追求する作者の、その特質を初期作ながらもよく示す秀作である。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 129 |