時
作品名よみ | とき |
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作品名(欧文) | Time |
作者 | 岡田謙三 |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 592 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-042 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 222.0×234.0 |
材質 | キャンヴァス、油彩 |
材質英文 | Oil on canvas |
制作年(西暦) | 1954 - 1955 |
制作年(和暦) | 昭和29 - 30 |
記銘、年紀 | (右下)Kenzo Okada |
受入年度(西暦) | 1983 |
受入年度(和暦) | S58 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 現代 |
解説 | ニューヨーク近代美術館や、グッゲンハイム美術館が相次いで彼の作品を購入するなど、ニューヨークで認められ始めた頃の作品。マーク・ロスコなどのアメリカ抽象表現主義を理解することに苦しみながらも、約3年の真摯な探求の末致達した、繊細なマチエール、独自の穏やかな形象がうかがえる作品である。白と黒のコントラストを大枠にしながらも、なにかが溶解してゆくような画面と、「時」という観念的なタイトルの結び付きは、見るものの心の奥の密やかな沈黙の流れに働きかけてくる。 黒い形が内部のニュアンスづけによって深みを宿している一方で、白の後ろに透けて見える幾つかのかたちは、ゆかしさを感じさせる。境界線にはしばしば、薄紫や水色といった淡い色の短いタッチが添えられたり、地塗が細く残されていたりして、ソフトな感触を伝える。中央の大きな黒の形態から発して、流水を思わせるカーヴを備えた線は画面に軽みを与える。ほぼ正方形の大画面を生硬さから救うのは、これら線的要素の力もあるだろう。画面右上部、色味のあるエリア内の数本の細く短い帯は、時間の針のような具象的なものを喚起させてもいる。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 132 |