ジャ・ド・ブーファンの大樹
作品名(欧文) | The Large Trees at Jas de Bouffan / Les Grands arbres au Jas de Bouffan |
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作者 | ポール・セザンヌ |
受入番号 | 507 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | W-008 |
員数 | 1 |
寸法(cm) | 32.5×50.0 |
材質 | 紙、水彩、鉛筆 |
材質英文 | Watercolor, pencil on paper |
制作年(西暦) | 1885 - 87 |
受入年度(西暦) | 1982 |
受入年度(和暦) | S57 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 西洋、風景 |
解説 | 美術家にとって、自己の芸術の探求とメディウムの選択及び技法とは、不可分の関係にある。セザンヌは、油彩画に次いで水彩画を多く制作した。リウォルドのカタログ・レゾネによると、その作品数は645点を数える.セザンヌの芸術的目標の一つは、自然に即しながら、自己の視覚的感覚を徹底して実現することにあった。その点、水彩画の特性である絵具の速乾性は、野外スケッチの記録に適している。 画面のほぼ全体に見られる規則的な斜めのタッチは、1880年代に展開されたセザンヌ特有の手法である。本作では、彼の視覚的印象を伝える制作行為であると同時に、画面上に平面的パターンとリズムとを作り出す造形要素となっている。色彩システムは非常に限定されており、青と緑を基調色に、黄緑と赤茶色をアクセントにしている。そして、塗り残された余白が軽やかさと明るさとを提供し、水彩画ならではの効果を上げている。 ところで、タイトルのジャ・ド・ブーファンとは、エクス・アン・プロヴァンスの郊外に父親が購入した別荘の名称である。ここでの風景をもとに、セザンヌは多様な制作を行なった。野外の制作場所に赴くことを「モティーフに行く」と現したセザンヌにとって、ジャ・ド・ブーファンはまさしく創造の源であった。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 32 |