脈
作品名よみ | みゃく |
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作品名(欧文) | Myaku(Vein) |
作者 | 山口長男 |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 505 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-038 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 182.2×182.2 |
材質 | 合板、油彩 |
材質英文 | Oil on panel |
制作年(西暦) | 1968 |
制作年(和暦) | 昭和43 |
受入年度(西暦) | 1982 |
受入年度(和暦) | S57 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 現代 |
解説 | 正方形の合板の上に、黒と黄土色の絵の具を厚く塗り重ね、タッチの痕跡による段差が触覚を強く呼び起こしている。具体的なイメージや形は無く、かといってまた冷たく理知的に処理された幾何学的な抽象でもない。ペインティング・ナイフによって、ただ一色の絵の具が「ものを言う」まで、「もうこれ以上いかないというまで繰り返し、充実が出るまで塗」られた結果、その物質感は作家の内面の生で満たされ、作品という一つの確固とした世界にまで昇華されている。 山口が“性格色”と呼ぶ黄土色は、生まれ育った朝鮮や大陸を思わせる。黒系の地色に対して重ねちれる黄土色は1958年から次第に広い面積を占め、地の上の形から一つのマッスとして現前するようになった。更に黄土色は画面を押し広げるようにして外への力を強め、本作以降、黒い地が更に狭められて地とその上の形といった関係を超えてゆく。山口は、支持体と描かれるイメージという分離の関係も超越し、絵の具という物質がそれらを一体化した、「作品」を現前化させるという新たな絵画の世界を作り上げた。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 134 |