梅月図

作品名よみばいげつず
作品名(欧文)Plum Blossoms and Moon
作者春木南溟
種別日本画
受入番号45
枝番号0
分類番号J-014
員数1幅
形状掛幅装
寸法(cm)119.4×53.1
材質紙本墨画
材質英文Ink on paper, hanging scroll
制作年(西暦)19世紀半ば - 後半
制作年(和暦)江戸時代後期 - 明治時代前期
記銘、年紀(左下)「南溟」 朱文方印『南溟』
受入年度(西暦)1980
受入年度(和暦)S55
受入方法藤江喜重氏寄贈
キーワード小杉文庫
解説月光を浴びる梅を水墨で描いた作品である。
文人画の主たる画題である墨梅図は、江戸南画においても好んで描かれ、数多くの作例がある。本作のように荒い筆遣いで仕上げられた墨梅図は多く、明清における墨梅図の様式を参照して描かれていると考えられる。
樹幹は濃墨によって荒い筆致で表されており、筆の擦れや滲みが効果的に用いられている。画面中央部、月の周囲に雲煙が漂っているが、雲煙を隔てて空へと伸長する梅枝は、硬く鋭い角を成して折れ曲がり、月に向かって枝を広げている。枝を描く筆線は勢いがあり、メリハリが効いている。紙の地色を活かし、月光を浴びて白く光るように表された梅花は、さまざまな形状に描かれ、枝を埋め尽くすように咲き誇っている。
本作においては、夜の冷たい空気が淡墨によって表されており、墨の濃淡表現や筆線の勢いが巧みに用いられ、月光を浴び、雲煙漂う夜闇にぼんやりと浮かぶ梅の姿が描き出されている。
南溟の巧みな筆墨表現の特徴が表れた作品である。

2019年『対立と融和―十九世紀の江戸画壇』リーフレット、p. 56

PageTop