パッランツァ、マッジョーレ湖

作品名(欧文)Pallanza, Lake Maggiore
作者ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
受入番号502
枝番号0
分類番号W-006
員数1
形状額装
寸法(cm)36.8×54.0
材質紙、水彩
材質英文Watercolor on paper
制作年(西暦)1846 - 1848頃
受入年度(西暦)1982
受入年度(和暦)S57
受入方法購入
キーワード西洋、風景
解説早朝の光を想わせる黄金色と、水面や山景を彩る青とが溶けあった水彩による風景画で、ターナーの典型的な後期様式を示している。画面全体は霞に包まれたように不明瞭であるが、前景の湖岸には一軒の小屋と群衆らしきものが見られる。晩年のターナーは、湖岸から丘陵の斜面に沿って流れ漂う大気に強い関心をみせ、アルプス一帯に散在するレマン湖、トゥーン湖、ルツェルン湖などの湖水を歴訪し、多くの水彩画の秀作をのこした。1840年代のターナーは、水彩画のシリーズをいくつか重ねていて、これらに続く最後のシリーズも考えていたという。これら晩年の水彩画は、若い頃のシリーズよりサイズが大きく、自由な筆使いを見せているが、しかし本作の場合、その最後のシリーズを構成したであろう他の作品より、前景人物がきわめて不明瞭であることから、まだ筆を入れるつもりだったのかもしれない。インディアナポリス美術館にある《トゥーン湖畔のオーバーホフェン》は、様式上もっとも近く、1846年の透かし文字をもつことから、本作の制作年もその頃で、やはりスイス側の湖を描いているとも考えられる。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 24

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