果物皿と新聞
作品名(欧文) | Fruit-Dish and Newspaper / Le Compotier |
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作者 | ファン・グリス |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 501 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-036 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 92.2×66.0 |
材質 | キャンヴァス、油彩 |
材質英文 | Oil on canvas |
制作年(西暦) | 1918 |
記銘、年紀 | (左下)Juan Gris 3-18 |
受入年度(西暦) | 1982 |
受入年度(和暦) | S57 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 西洋 |
解説 | 対象の形態分割にそくして明度差のある色彩を隣り合わせに配し、各部を反転させる。その操作によってそれぞれの物体の存在感と配置の結束感が強調されている。例えばテーブルの足は、3色に塗り分けられた正方形に近い台形の面で表され、支えとしての堅固さを持つ。また、直線に還元された木目と、新聞(JOURNAL)文字はテーブルの面を示し、そこに横たえられたパイプは茶色と黒の反転で示される。ピカソ、ブラックが茶色系統の色を用いて禁欲的に形態分析をしていたのとは異なり、グリスは緊密な画面構築のためにむしろ進んで色彩を使った。中央で、果物皿は白を基調に新聞紙の黒と反発しあい、そのまわりを主調となっているブルーグレイ、それを補う赤茶色が空気にも似て取り囲む。さらに対角線の方向にクロスして配置された黒と黄色が対象とカンヴァスの輪郭線との仲をとりもっている。グリスの「セザンヌは罎を円筒に変えたが、私は円筒からひとつの罎を作る。セザンヌは建築を志向し、私はそこから出発する。」(1921年)という言葉には、知性的な絵画制作を梃にして現実を掴もうとする画家の世界観が感じ取れる。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 36 |