ライ麦畑、グラット=コックの丘、ポントワーズ
作品名(欧文) | A Rye Field, Hill of Graffe-Coqs, Pontoise / Les Seibles, côte des Gratte-Coqs, Pontoise |
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作者 | カミーユ・ピサロ |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 500 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-035 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 60.3×73.7 |
材質 | キャンヴァス、油彩 |
材質英文 | Oil on canvas |
制作年(西暦) | 1877 |
記銘、年紀 | (左下)C.Pissarro 1877 |
受入年度(西暦) | 1982 |
受入年度(和暦) | S57 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 西洋、風景 |
解説 | カミーユ・ピサロは、日常的風景の賛美者である。彼の作品には、一貫して自然に対する素直さや率直さがにじみ出ており、平俗な美へのリアリズムがあふれている。そうした彼の画業全体に通じる特質が、我々に親しみやすさや近づきやすさを感じさせる要因であろう。本作もその例外ではない。1860年代後半と1872年から居を構えた、パリ近郊イル・ド・フランズ地方のポントワーズの情景である。画面は手前から麦畑、丘、空に3分割されている。前景と中景との境界線は、右下から左上へと緩やかにカーブしており、その先に描かれているポプラの木が画面を引き締めている。印象派の長老であったピサロは、常に勤勉な芸術家であり、自己の芸術的欲求を満足させるために絶え間なく技巧を変化させた。本作が制作された時期を、美術史家ヴェントゥーリは「印象主義の開花」と規定した戸外の光。新鮮な色彩。色調の分割。時に規則的に、時に規制的に、時に無造作におかれたように見える変化に富んだタッチ。そうした、筆触の一つ一つが、堅固な画面を構成する要素となっている。地味な作風ながらも、精緻な制作ぶりと建築的な画面構成も、この頃のピサロの特色であると言えよう。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 30 |