第1段

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朝顔日記

作品名よみあさがおにっき
作品名(欧文)Asagao Nikki
作者鏑木清方
種別日本画
受入番号386
枝番号0
分類番号J-083
員数1帖
形状画帖装(10図)
寸法(cm)詞書 24.2×33.2 ほか 絵 24.6×33.7 ほか
材質紙本淡彩
材質英文Slight color on paper, album
制作年(西暦)1939
制作年(和暦)昭和14
記銘、年紀各画面(第1,3,4,6段 右下・第2,5,7,8,9,10段 左下) 朱文方印『清方』
発表展尚美堂展
開催年1939
受入年度(西暦)1981
受入年度(和暦)S56
受入方法購入
キーワード風景、静岡
解説≪朝顔日記≫は、江戸時代以来の人気狂言『生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)』に主題を求めた作品であり、防州大内家のお家騒動を背景に、若侍宮城阿曽次郎と、芸州岸戸家の家老秋月弓之助の娘深雪との波瀾にみちた情話を描いている。
保存も極めて良く、右に流麗な筆による詞書の頁を、左に明るい淡彩とやわらかな線描による画面の頁を有し、合計10段の構成となっている。
更にその題名に由来して、目次や詞書の料紙、裏表紙に淡藍と金泥で、又桐の共箱の蓋に没骨彩色で朝顔の花が描かれており、淡彩の画面と相俟って、さわやかな印象を与えている。
このような清方好みの装幀に導かれ、私達鑑賞者は、宇治川の蛍狩での深雪と阿曽次郎の出会い、明石の浦での二人の悲しい別れ、島田の宿での思わぬ再会、大嵐の中再び阿曽次郎を追う深雪の一途な姿へと、美しい女主人公(ヒロイン)を追いつつ、頁を進めてゆくのである。
歌舞伎や浄瑠璃の世界を愛した清方は、本画帖の制作にあたり、原作である舞台の中から、画帖としての完結性やクライマックスを考慮しつつ、画面にふさわしい10段を精選し、又それぞれの図様について、人物の所作や構図の点で、細かな検討を重ねている。
可憐な朝顔の花にたくした武家娘の恋は、明確な画面展開と卓抜した心理表現により、小品ながら、みる者に新しい物語絵〈卓上芸術〉の世界を提供している。

(当館旧ウェブサイト 作品解説より)

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