東海道五拾三次(保永堂版): 見附 天竜川図

作品名よみとうかいどうごじゅうさんつぎ(ほうえいどうばん): みつけ てんりゅうがわず
作品名(欧文)Fifty-three Stations of Tokaido: Mitsuke (Tenryu River)
作者歌川広重
種別版画
受入番号379
枝番号29
分類番号P-004
員数1枚
形状大判錦絵
寸法(cm)25.5×38.5
材質紙、木版、色摺
材質英文Colored woodblock print on paper
制作年(西暦)1833頃
制作年(和暦)天保4頃
記銘、年紀(右中)「広重画」
受入年度(西暦)1981
受入年度(和暦)S56
受入方法購入
キーワード風景、静岡
解説「日本橋」から「三条大橋」までの宿場を舞台に、旅に関わる風物、人物を自然の景観のなかに抒情豊かに描いたこの《東海道五十三次》55枚のシリーズは、若き広重がのこした傑作として、また浮世絵風景版画の代表作としてよく知られている。
葛飾北斎が天保2年(1831)から発表した《富嶽三十六景》の成功により注目を集めていた風景版画の分野に37歳の広重が本格的に進出、この作品の大ヒットによって風景版画家としての地位を不動のものにした。版元は「保永堂」。広重はその後東海道のシリーズを20種以上発表したが、最も評価の高いこの最初のシリーズはそれと区別するため「保永堂版」と呼ばれている。
広重はこの作品で、旅行く人と自然が織りなす情景を東海道の宿場を舞台に抒情的にうたいあげた。《三島》、《蒲原》、《庄野》では霧・雪・雨など自然現象の描写を巧みに加え、さらに情感を高めるとともに、抒情的な場面づくりにより、旅行く人の心の機微までも表現した。さらに《箱根》では大和絵の色面構成まで加えており、多様な技法の中に自然と人生が融け合った風土のハーモニーを奏でている。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 77

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