種子静物

作品名よみしゅしせいぶつ
作品名(欧文)Still Life of the Seed Plant
作者曽宮一念
種別油彩画
受入番号368
枝番号0
分類番号O-009
員数1
形状額装
寸法(cm)60.6×72.7
材質キャンヴァス、油彩
材質英文Oil on canvas
制作年(西暦)1934
制作年(和暦)昭和9
記銘、年紀(右下)昭和九年 秋 一念 [○そ]
発表展第5回独立展
開催年1935
受入年度(西暦)1981
受入年度(和暦)S56
受入方法購入
キーワード静岡
解説枯れたひまわりが三個、逆遠近法で捉えられた卓上に載っている。茶褐色と淡黄色を基調に描かれたその形態は、テーブルの白によって輪郭をきわだてられ、バックのべんがら色と相俟って、平面性とヴォリューム、色面と線描、直線と曲線との対比をバランスよく調和させている。「種子の方は昭和九年に初めてかいてみた。これは花をかかうと考を凝らしてゐたといふよりも、暑さにまけてゐる間に種子になつてしまったためなのである。」(「向日葵」『タ映』1943・昭和18年)種子の放射状の渦紋に手こずりながら、この作品は同年9月12日、「風雨の最中」に完成した。「おもしろいことには萼の朽ちて黴びた色も、鼠が種子を食ベてその数を減じてゐるのも共に晝のなかでは却つてちようど良い變化をなしてゐることである。」(「日記抜抄」『いはの群』1938・昭和13年)作者はここで、盛夏に咲き誇った向日葵が萎えしなび、鼠に食われ死骸を手術台に曝しているかのようなありさまを喜んだ。生ける対象がやがて死骸に化してゆく過程を熟視することは、作者の表現欲求に深く関わるところがあったのだろう。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 116

PageTop