右隻

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波涛・花鳥図屏風

作品名よみはとう・かちょうずびょうぶ
作品名(欧文)Waves, Birds and Flowers
作者狩野養朴常信
種別日本画
受入番号352
枝番号0
分類番号J-076
員数6曲1双
形状屏風装
寸法(cm)各151.6×351.8
材質紙本着色金泥引
材質英文Color with gold paint on paper, a pair of six-fold screens
制作年(西暦)1704 - 1709
制作年(和暦)宝永1 - 6
記銘、年紀(右隻右下・左隻左下)「法眼古川叟筆」 朱文方印『藤原』 朱文重廓方印『常信』
受入年度(西暦)1981
受入年度(和暦)S56
受入方法購入
キーワード風景、狩野派
解説左隻に大瀑を、その波濤が岩の間を流れる様子を右隻にかけて描いた屏風である。
水上には雀や尾長鳥が舞い、岩には躑躅が描かれている。筆致はあっさりとしており、探幽様式を省略し、骨格のみ表したような、さっぱりとした表現が用いられている。波や皴には補筆が散見され、補筆の筆致の荒さが画趣を損ねているが、波上に舞う禽鳥には補筆が少なく、精緻な筆遣いで姿態が細やかに表されている。原初の状態では、軽やかな筆致によってモチーフが描かれ、筆数を抑えたメリハリのある描写が余白の奥行きを感じさせる、瀟洒かつ爽快な画趣の漂う作品であったに違いない。
本作は、狩野探幽《波濤水禽図屏風》(静嘉堂文庫美術館)のような作品の構図、モチーフの組み合わせを継承しつつ、モチーフを描く筆数を減らし、モチーフを小さく描くことで、視点が高くなり、大瀑と波濤、群禽の対比はダイナミックに表されている。
常信法眼時代の花鳥図屏風の特徴を考えるうえで注目すべき作品である。

※山下善也 作品解説『狩野派の世界 静岡県立美術館蔵品図録』
  (静岡県立美術館 一九九九年)
 榊原悟 作品解説『元禄繚乱展』(江戸東京博物館 一九九九年)
 折井貴恵 作品解説『柳澤吉保とその時代 柳沢文庫伝来の品々を中心に』
  (川越市立博物館 二〇一四年)

2019年『諸派興隆―十八世紀の江戸画壇』リーフレット、p. 25

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