右隻全図

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禅宗祖師・散聖図屏風

作品名よみぜんしゅうそし・さんせいずびょうぶ
作品名(欧文)Patriarchs of Zen
作者海北友松
種別日本画
受入番号349
枝番号0
分類番号J-073
員数6曲1双
形状屏風装(押絵貼)
寸法(cm)各図107.2×51.5(総横各368.6)
材質紙本墨画
材質英文Ink on paper, a pair of six-fold screens, an independent-panel in each fold screen
制作年(西暦)1613
制作年(和暦)慶長18
記銘、年紀(右隻第六扇右中)「友松圖之」 白文長方印『海北』 朱文方印『友松』 (左隻第六扇左下)「友松筆」
受入年度(西暦)1981
受入年度(和暦)S56
受入方法購入
キーワード京都
解説本屏風は、各扇1面ずつ独立した画を貼り付けた押絵貼形式で12図よりなる。達磨大師に始まる禅宗の祖師中、二祖・六祖と中国の高僧、さらに散聖(正当な法系に属さない禅僧)の故事をそれぞれ絵画化している。故事は、一匹の猫をめぐって争う僧徒を戒めるべく、その猫を切断したという中国唐代の名僧、南泉普願(なんせんふがん)の説話(南泉斬猫(ざんみょう))などである。
濃淡の簡略な筆(線)とにじみを生かした墨(面)によって、ふくらみのある人体のフォルムが捉えられている。これは友松が得意としたスタイルで、中国南宋中期(13世紀前半)の画院画家として有名な梁楷の減筆体(少ない筆数で人物を的確にとらえ描写)に基づくものである。画面全体の淡い墨調からは心地よい情感が伝わってくる。
友松には、押絵貼による同種の禅宗故事図が他に数例知られるが、本屏風の場合、図上の画賛がとくに重要な意味をもっている。同賛は、京都妙心寺80世・静岡臨済寺4世を務めた学僧鉄山宗鈍(そうどん)による。鉄山が慶長18年(1613)、武将山名禅高のために書したもので、同年は友松81歳、本図は彼の最晩年の作である。制作依頼者、制作年、制作目的などが判明する貴重な作品といえよう。 

(当館旧ウェブサイト 作品解説より)

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