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和歌詠草 賀茂真淵添削

作品名よみわかえいそう かものまぶちてんさく
作品名(欧文)Japanese Draft Poem, Waka
作者本居宣長
種別
受入番号185
枝番号0
分類番号C-136
員数1幅
形状掛幅装
寸法(cm)16.3×43.8
材質紙本墨書
材質英文Ink on paper, hanging scroll
制作年(西暦)1763
制作年(和暦)宝暦13
受入年度(西暦)1980
受入年度(和暦)S55
受入方法藤江喜重氏寄贈
キーワード小杉文庫
解説宣長の詠草十一首に真淵が添削を加えたもの。
宣長は宝暦十三年五月、真淵に入門し、以降しばしば添削を乞うたようであるが、従来知られているのは『本居宣長全集第十八巻』(筑摩書房・昭48)所収の五度にすぎず、本詠草は含まれていない。万葉調をよしとする真淵は、新古今調をめざす宣長の和歌にきびしく、本詠草でも「ことはりもことはもさる事なれと調へそわるき」と評している。この十一首中十首は『石上稿(いしのかみこう)』六に「以上十首古體」として収める。
なお、「旅」と題する「あまつたふ」の歌は、『鈴屋集』『石上稿』に見えない。歌屑として宣長自身が捨てたものででもあろうか。なお、あとは全て『石上稿』六、宝暦十三年の部に入っており、その内九首は漢字・仮名の表記が異なるのみであるが、「恋」の第一首目「ぬは玉の」は、次のように上旬が大きく異なっている。
 秋のよの嵐をさむみすかのねのねもころ妹にこひやあかさむ
「あまつたふ」という『石上稿』に入れられなかった歌を持つ点からみて、本詠草は宝暦十三年に真淵の添削を乞い、更に手を加えて『石上稿』に収められたもので、「ぬは玉」のが初案、「秋のよの」が再案ということになるのであろうか。
但し、そう考えると、「あすもかも」の「紅葉はすらん」を、真淵が「紅葉はしなん」と改めたにもかかわらず、宣長はそれを無視したことになるが、一応、本詠草を『石上稿』所収のものより前のものと考えておきたい。

1988年『藤江家旧蔵 小杉文庫名品抄』、p. 29

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