古今のローマの景観 : ノメンターノ橋

作品名(欧文)Views of Rome, Ancient and Modern : The Ponte Nomentano / Antiche e moderne vedute di Roma : Ponte Lamentano vicina Sant' Agnessa
作者イスラエル・シルヴェストル
種別版画
受入番号1697
枝番号8
分類番号P-467
員数1
寸法(cm)6.8×15.2
材質紙、エッチング
材質英文Etching on paper
制作年(西暦)1653以降
記銘、年紀(左下)Siluestre fecit,
(中央下)Ponte Lamentano vicina Sant' Agnessa.
(右下)excud. Parisijs cum Priuil. Regis
受入年度(西暦)2018
受入年度(和暦)H30
受入方法購入
解説シルヴェストルは、ロレーヌ公国のナンシー(現フランス)に生まれ、パリで活躍した版画家。ジャック・カロやステーファノ・デッラ・ベッラの版元だった叔父イスラエル・アンリエから素描や版画術を学ぶ。10代後半から30代半ばまでにイタリアに3度滞在した経験が、その後の作品制作の重要な鍵となった。生涯に制作した1700点に上る版画総点数のうち、イタリア主題の作品は約2割を占める。
本連作の主題は、題名どおり、ローマとその近郊ティヴォリなどに散らばる、17世紀当時の古代ローマの名所旧跡の景観である。「ミネルウァ・メディカの神殿」、「サント・ステファノ・ロトンド教会近辺」はこのシリーズにしか登場しないモティーフであり、シルヴェストルの取材範囲の広さがうかがえる。小さい横長のフォーマットは、10歳年長のデッラ・ベッラと同じだが、余白と水平方向の構成を活かしたデッラ・ベッラに対し、シルヴェストルは画面の奥行き作りに土地や建築物の高低差を巧みに利用しているように思われる。また、両者の版画作品を比較すると、外国人のシルヴェストルの方が古代遺跡を取り上げた作品を圧倒的に多く制作しており、その関心の強さが分かる。
叔父逝去後、シルヴェストルはその遺産を相続。ルイ14世付きの版画家や王太子ルイ・ド・フランスの素描教師に任命されるなど、芸術家としてもまた版画商としても社会的に成功した。

2019年『古代への情熱-18世紀イタリア・考古学と芸術の出会い』、p. 85~87

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