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名画集
作品名よみ | めいがしゅう |
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作品名(欧文) | Assembled Paintings of Famous Figures |
作者 | 狩野探雪守定/狩野安信/狩野養朴常信/狩野探信守政/狩野洞雲益信 |
種別 | 日本画 |
受入番号 | 1695 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | J-352 |
員数 | 1帖 |
形状 | 画帖装(80図) |
寸法(cm) | 各27.3×43.2 |
材質 | 絹本着色 |
材質英文 | Color on silk, album |
制作年(西暦) | 1682頃 |
制作年(和暦) | 天和2頃 |
記銘、年紀 | (安信)「行年七十法眼永真筆」、(常信)「常信筆」、(探信)「探信筆」、(益信)「洞雲筆」、(探雪)「探雪筆」 |
受入年度(西暦) | 2018 |
受入年度(和暦) | H30 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 狩野派 |
解説 | 狩野安信・常信・益信・探信・探雪が合作した画帖である。 《名画集》は八十図からなる大部な画帖で、五名の画家が十六図(表裏各八図)ずつ描いており、様々な画題を網羅した作品となっている。 各図には鮮やかな彩色が施され、金泥の輝きは華やぎを添えており、形状、表現など、様々な点で豪華な画帖である。 安信の「行年七十法眼永真筆」の款記より、天和二(一六八二)年頃の制作とみなされ、探幽が没して十年近くが経ち、安信が名実ともに棟梁として江戸狩野派を牽引する体制が確立していた時期の作品と言える。画風も安信最晩年の特徴を良く示しており、安信以外の各画家の画風は、それぞれ安信の影響を多少なりとも受けつつ、探幽の画風を継承、発展させている点が興味深い。 安信の描いた図が冒頭にあること、款記の入れ方などから、本作は当時リーダーであった安信が主導した画帖であると考えられるが、図様に重複が認められるなど、分担した部分ではそれぞれがかなり自由に制作したものと思われる。 本作は倣古図と同画題、同図様を含む一方で、名所絵、年中行事絵、物語絵などにおける人気図様を多数描く点が注目される。探幽没後、安信周辺における倣古図の展開を知るうえでも重要な作品であるが、当時の狩野派の様式的特徴を知るうえでも貴重な作品と言える。 なお、本作の表装金具には葵の御紋があり、《花鳥人物図画帖》(嬉遊会コレクション)、《雑画帖》(ハーバード大学美術館)と、画家の顔ぶれ、大部で豪華な画帖である点、上質な素材を用いている点、各画家の図の様式などが共通しており、本作と《花鳥人物図画帖》、《雑画帖》が元来セットの作品として制作されたことが推定される。 ※松尾知子 作品解説(『嬉遊会コレクションー江戸絵画を中心に』 千葉市美術館 二〇一二年) 2016年『徳川の平和(パクス・トクガワーナ) ―250年の美と叡智―』、p. 187 に加筆修正 |