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磯千鳥図
| 作品名よみ | いそちどりず |
|---|---|
| 作品名（欧文） | Plovers Flying over Beach |
| 作者 | 住吉弘貫 |
| 種別 | 日本画 |
| 受入番号 | 145 |
| 枝番号 | 2 |
| 分類番号 | C-102 |
| 員数 | 1幅 |
| 形状 | 掛幅装 |
| 寸法（cm） | 29.8×12.3 |
| 材質 | 紙本着色 |
| 材質英文 | Color on paper, hanging scroll |
| 制作年（西暦） | 19世紀半ば |
| 制作年（和暦） | 江戸時代後期 |
| 記銘、年紀 | （右下）「内記」 |
| 受入年度（西暦） | 1980 |
| 受入年度（和暦） | S55 |
| 受入方法 | 藤江喜重氏寄贈 |
| キーワード | 小杉文庫 |
| 解説 | 住吉弘貫による小画面の花鳥画で、渡辺広輝《六歌仙図》（当館蔵）の賛者である藤井高尚（一七六四～一八四〇）による和歌が取り合わされている。 本作のような形状の作品が当館の小杉文庫の作品中に散見され、作品の旧蔵者・小杉温邨の好みで画と和歌が取り合わされている可能性が推定される。元来、画と和歌は別々に制作されたと考えられよう。作品の規格や描かれたモチーフの描写から、本画の下絵であると思われる。 本作には「内記」の落款があるが、住吉派の画家は代々内記を名乗っており、弘貫による作品であるという証拠はない。本作の八双部分の裏に、「住吉弘定画」、「弘貫 ちとり 画」とあるため、当館では、本作を弘貫作と見なしている。落款の書体は、たとえば《竹林七賢人図》（大英博物館。狩野永悳立信・狩野探淵・狩野探原・板谷弘延・狩野中信・狩野雅信と合作）などの基準作と類似しており、伝承通り、弘貫の作品である可能性は高いだろう。 岩や波を表す筆遣いは荒く、各モチーフは勢いのある速筆によって描かれている。松の葉は細やかに表され、千鳥はそれぞれの表情も描き分けられている。 本作の描写には、弘貫（内記）の的確な画技がうかがわれ、細やかな表現には、季節を描き出す繊細な感覚も認められる。 小品ながら、住吉派の花鳥画の様式的な特徴がよく表れた作品と言えよう。 ※下原美保「狩野派・住吉派・板谷派合作の大英博物館蔵『竹林七賢人図』について」 （『鹿児島大学教育学部研究紀要 人文・社会科学編』六二号 二〇一〇年） 2019年『対立と融和―十九世紀の江戸画壇』リーフレット、p. 43を加筆修正 |