転位 '92-地-Ⅲ(出水)
作品名(欧文) | Transposition '92-Ground-Ⅲ (The Grass Couered with Water) |
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作者 | 中林忠良 |
種別 | 版画 |
受入番号 | 1117 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | P-202 |
員数 | 1 |
形状 | 2枚組 |
寸法(cm) | 62.0×101.0 |
材質 | 紙、エッチング、アクアチント |
材質英文 | Etching, aquatint on paper |
制作年(西暦) | 1992 |
制作年(和暦) | 平成4 |
記銘、年紀 | (右下)N. Nakabayashi '92 (左下)9/50 |
受入年度(西暦) | 1995 |
受入年度(和暦) | H7 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 現代 |
解説 | 1975年から展開される「すべてくちないものはない」をテーマとした作品群は、77年の≪Position≫シリーズで詩的なものから強い物質感への大きな転換を迎える。78年には≪Transposition一転位一≫が始められ、この更なる展開としての82年からの≪転位一地一≫シリーズの一点がこの作品である。 下方から上方へと侵入してゆく水のイメージは、清烈さよりもむしろ、密な細胞の死を含んだ生命感として感じられる。自然に囲まれた中林のアトリ工の、庭での出来事---ある日一隅に水が湧き、斜面の上方に建った家によって水脈が切断されたためか、ある日その水は枯れた---に喚び起こされた、生命の循環現象に対する中林の基本姿勢が、この重みを与えているのかもしれない。 中林は、実物の草や葉を版に転写しながらも、単なる図像の定着ではなく、自分の意のままにはならない腐蝕液との共存によって、像の背後にある何ものかをも取り込んだ世界を現前させつづけてきた。実と虚の位相の転換は、他者の介在によって、眼前の事実以上のリアリティを獲得している。 (当館旧ウェブサイト 作品解説より) |