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湖
作品名よみ | みずうみ |
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作品名(欧文) | The Lake |
作者 | ジョアン・ミッチェル |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 1108 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-128 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 203.2×254.5 |
材質 | キャンヴァス、油彩 |
材質英文 | Oil on canvas |
制作年(西暦) | 1955頃 |
受入年度(西暦) | 1995 |
受入年度(和暦) | H7 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 風景、現代、西洋 |
解説 | ジョアン・ミッチェルの幼少期、彼女はシカゴの自宅の窓からいつもミシガン湖に眺め入ったものである。湖面は空や雲や光を映して穏やかに揺れ動き、嵐の時には風雨をうけて猛り、或るいは曇天下には死んだように沈黙する。そうした湖水の多様な表情がやがて彼女の原風景を形づくった。作者はそれを記憶の内にたたみ、記憶像として純化された水のイメージに折々の心象を託して描くようになる。ミッチェルの抽象表現主義が激しい表出性を含みながら、内的に制御された構成力に優れるのはそのためであろう。 《湖》の図の中心は、エネルギッシュな筆致によって赤・緑・青・黄が交錯する、濃密で混沌とした色塊が占めている。対照的にその上下には、淡い色彩を滲ませた白いバックが広がり、青の描線がそれぞれを、上方では矩形状に、下方では流動的に特徴づけている。それはミシガン湖の冬の嵐を想わせぬでもないが、叙述的な描写性に向うのではなく、材質の物質性を対比し融合させながら、 この絵は激しい情念性が孤独な静寂に包まれる作者固有の心象風景を開示している。50年代の作者の代表作と言ってよかろう。 なお本作《湖》は、ミシェル・タピエが吉原治良の協力を得て欧米と日本のアンフォルメル絵画を選抜した「新しい絵画 世界展」(1958・昭和33年4月、大阪高島屋 同年9月、東京日本橋高島屋)に、具体美術協会の作品群とともに展示されたことがある。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 148 |