/2

ホールC.エントランスR2

作品名(欧文)Hall C. Entrance R2 / Halle C. Eingang R2
作者パウル・クレー
種別油彩画
受入番号1081
枝番号0
分類番号O-122
員数1
形状額装
寸法(cm)21.7×46.6
材質厚紙に貼られた洋紙、油彩
材質英文Oil on paper mounted on cardboard
制作年(西暦)1920
記銘、年紀(右下)Klee 1920.29.
受入年度(西暦)1995
受入年度(和暦)H7
受入方法購入
キーワード風景、西洋
解説1916年からドイツ軍として兵役に就いていたクレーは、18年の末にミュンへンの家族のもとに戻り、19年2月に同地にアトリエを借りた。当時のドイツは第一次大戦の敗戦と革命の動乱のさなかにあったが、8月にはヴァイマール共和国が成立し、政治的な混乱は終息する。
1914年のチュニジア旅行以来、クレーは、多数の色彩豊かな水彩画を制作してきた。クレーは色彩については水彩を通じて表現してきたが、1919年になると油彩も用いるようになり、本作が描かれた20年代の前半には、こうした水彩画の延長線上にある「方形色面の絵画」「色彩の段階付け」「平行線のコンフィギュレーション」「記号絵画」「油彩素描絵画」が制作された。本作はこの時期の特徴をよく示す作例で、画面全体にめぐらされた格子と、その間を満たす透明感のある色彩が、建物に不思議な空間感覚を与えている。本作が描かれた年の終わりに、クレーはグロピウスによるバウハウスへの招聘を承諾し、翌年教員に就任した。
クレーは1907年頃から、自分の作品に各年度別の通し番号を付けはじめた。本作の画面右下の数字は、1920年の29番目の作品であることを示している。本作と同様に、線で建物の構造を表した類作である28番目の作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵されている。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 37

PageTop