藤花図

作品名よみとうかず
作品名(欧文)Wisteria Flowers
作者鈴木守一
種別日本画
受入番号14
枝番号0
分類番号J-004
員数1幅
形状掛幅装
寸法(cm)35.5×48.8
材質絹本着色
材質英文Color on silk, hanging scroll
制作年(西暦)19世紀半ば - 後半
制作年(和暦)江戸時代後期 - 明治時代前期
記銘、年紀(左下)「静々守一」 朱文方印『祝琳』
受入年度(西暦)1980
受入年度(和暦)S55
受入方法藤江喜重氏寄贈
キーワード小杉文庫
解説藤花を描いた作品である。
藤花は江戸琳派で好んで描かれた画題の一つで、酒井抱一《四季花鳥図巻》(東京国立博物館)中にも本作のような図様の藤花が既に描かれている。また、鈴木其一《藤花図》(出光美術館)、鈴木其一《藤花図》(細見美術館)など、其一は頻繁に本画題を手がけたことが知られている。
本作に描かれた藤花は、彩色の濃淡がしっかりと施され、鮮やかな彩色が用いられているが、花びらのフォルムが平板で、丸みの強い花の輪郭線が繰り返し用いられており、画面に張り付いたような形態に描かれている。藤の枝はうねうねと捻じれ、擦れた筆によって表されるなど、画面を動き回る生き物のような枝ぶり、表現が注目される。生き物のような藤の枝の描写には、抱一や其一の花鳥画にはないデフォルメが認められる。
小品ながら、守一の画風を考えるうえで興味深い一点である。

2019年『対立と融和―十九世紀の江戸画壇』リーフレット、p. 44

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