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静物
作品名よみ | せいぶつ |
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作品名(欧文) | Still Life |
作者 | 小出楢重 |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 995 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-111 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 78.4×90.8 |
材質 | キャンヴァス、油彩 |
材質英文 | Oil on canvas |
制作年(西暦) | 1917 |
制作年(和暦) | 大正6 |
記銘、年紀 | (右上)N.Koide/June-1917 |
受入年度(西暦) | 1993 |
受入年度(和暦) | H5 |
受入方法 | 購入 |
解説 | 小出楢重は大阪の色を濃くにじませた画家である。明治20年大阪島之内に生まれ、東京美術学校へ入学したものの、卒業した後は大阪の近くに住んで、大阪の土着性や美意識を盛り込んだ彼独自の洋画を描いた。 美校を卒業後も午前中は裸婦、午後は静物を描くといった、写実の基礎を築く格闘を続ける。その頃結婚し、彼の新しい気力に満ちた生活の前後に生み出された作品が本作である。この約2年後には≪Nの家族≫(大正8)が樗牛賞を受賞、彼の様式を確立することになるのだが、既に本作にもその萌芽がうかがえる。 テーブルを画面に広くとり、その中央に林檎、みかんを載せた果物皿を配し、左に花瓶と花、右に陶器のワイン・グラスや、ほかに檸檬、敷物、色皿をテーブルに配し、後ろには平面的で装飾的な壁紙がそれらの静物を引き立てつつ、強い色で本作を引き締める効果も発揮している。考え抜かれた構図をはじめとして、構成、静物の質感表現にまことに確かな技量を既にみせており、確かなヴァルールなど彼の優れた研鑽ぶりをよくあらわしている。 この時期、文展に落とされても落とされても、ひたむきに絵に取り組んでいた作者のことを知れば、本作の何よりも真正面から静物に取り組む真摯さが、見るものに力強さとすかすがしい感じを、そして勇気さえ与えてくれるように感じるのも当然と思われる。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 106 |