/3

リン・ナントルからスノードンを望む

作品名(欧文)Snowdon from Llyn Nantlle
作者リチャード・ウィルソン
種別油彩画
受入番号994
枝番号0
分類番号O-110
員数1
形状額装
寸法(cm)98.4×125.8
材質キャンヴァス、油彩
材質英文Oil on canvas
制作年(西暦)1765 - 1767頃
受入年度(西暦)1993
受入年度(和暦)H5
受入方法購入
キーワード風景、西洋
解説本作はウェールズ北部にある、リン・ナントル湖の東端から西方を望んだ眺めである。画面の正面奥にはイ・ウィッドファと呼ばれるスノードンの山頂、その下方にはクログウィン・イ・ガレグという名の小山が見え、中景左方にはミニッド・モアーの斜面、右方には尖った頂をもつ山並みが続いている。画面下方の澄み渡ったリン・ナントルの湖面は、これらの山並みをくっきりと映し出し、構図に対称性を与えている。英国最高の自然景といわれたこの眺めは、明確に整えられた構図とウィルソン特有の蒼白い光によって、壮大と静謐を獲得している。
1750年からイタリアに長く滞在したウィルソンは、古典的風景画を学び、特にクロード・ロランから大きな影響を受けた。本作においても、画面の両側に数本の木々を配してその間に深い空間を作り出し、観者の視線を遠方の山並みでうけとめるという構図にクロードの影響の名残りが見られる。 しかし、前景で釣糸を垂れる人物たちは、神話的、キリスト教的意味を担うことなく、クロード芸術からの脱却をはかったウェールズの風景画にのどかな雰囲気を加えている。
同構図、同サイズの作品が、リヴァプールのウォーカー・アート・ギャラリーとノッティンガム城に所蔵されている。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 20

PageTop