「牢獄」第2版 : (Iー扉絵)

作品名(欧文)Carceri, Second Edition : I / Carceri d'invenzione : I
作者ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ
種別版画
受入番号905
枝番号1
分類番号P-116
員数1
形状マット装
寸法(cm)55.3×41.9
材質紙、エッチング、エングレーヴィング、ドライポイント
材質英文Etching, engraving, drypoint on paper
制作年(西暦)1761
記銘、年紀(中央)CARCERI/D'INVENZIONE/DI G.BATTISTA/PIRANESI/ARCHIT./VENE.
受入年度(西暦)1990
受入年度(和暦)H2
受入方法購入
キーワード風景、西洋
解説ピラネージといえば『牢獄』と連想されるほどに知られた作品。ロマン主義の文学者に与えた影響という点でも、言及されることが多い。
1749年から1750年に、『牢獄の気まぐれな空想』として初版が出版され、本展出品作は『空想の牢獄』として1761年に出版された第2版である。大幅な加筆・変更が加えられており、図版も2枚(ⅡおよびⅤ)が追加されている。
題名にもある通り、あくまで「空想の」牢獄が描かれており、特に実在の建築物を描いたものではない。用途の不明な滑車や、拷問を連想させる禍々しい器具が散見されるものの、人物達は勝手に行き交っているようであり、建物も外部とつながっているように見えるところすらある。
また、幾つかの図にはラテン語の碑文が書かれ、サン・ピエトロ大聖堂前の広場を思わせる列柱廊が見られる図(Ⅳ)があるものの、具体的なローマを示唆する要素は、実は少ない。
だが、今日も残る古代ローマの遺構に入り込み、その眩暈のするようなスケール感や、差し込む陽光にぼんやり照らされた内部の様子を眺めてみるなら、本連作が「ローマ」に基づいていることは了解されるであろう。このような空間こそ、作者の体感していたローマであり、牢獄だったのだと思われる。

2019年『古代への情熱―18世紀イタリア・考古学と芸術の出会い』、p. 126

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