水を飲む馬のいる森の風景

作品名(欧文)A Wooded Landscape with Horses Drinking
作者トマス・ゲインズバラ
種別デッサン
受入番号904
枝番号0
分類番号D-078
員数1
形状額装
寸法(cm)23.2×29.2
材質灰青色の紙、白・黒・色チョーク
材質英文Black, white and colored chalks on gray-blue paper
制作年(西暦)1770年代後半
受入年度(西暦)1990
受入年度(和暦)H2
受入方法購入
キーワード風景、西洋
解説急カーブを描く田舎道をすすむ二人の男と三頭の馬。そのうちの二頭は前方の水たまりで水を飲み、その後方からは別の男が続いている。木立の豊かな葉群の中には、数本の幹と枝が見え隠れし、空にはうっすら雲が広がっている。道や木立にできた影からすると、きっと晴天なのだろう。
ゲインズバラは、この素描に対応する油彩画を描いていない。もともと彼は、線の戯れをこよなく愛した画家で、素描を絵画制作に必要な予備的習作と見なしてはいなかった。彼は油彩画家である前に素描家であり、素描は絵画と同等の価値をもつジャンルであった。また、田舎道・木立・人物・動物といったモティーフの組合わせは、《日没、小川で水を飲む荷馬車》《市場への荷車》(ともにテート・ギャラリー)、《市場へ》(ケンウッド・ハウス)といった絵画にも見ることができる。おそらく本作を含め、これらの作品における風景は、ゲインズバラ特有の非地誌的風景であり、描かれた場所を推定させる要素は見出せない。
J.ヘイズは制作年を1770年代中頃から後半と考えているが、この推定の根拠は、黒・白・色チョークの使用、クロード・ロランを想起させる遠方の山々、スケッチ風の描線などであろう。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 21

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