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1985A
作品名よみ | いちきゅうはちごえー |
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作品名(欧文) | 1985A |
作者 | 田中敦子 |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 879 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-097 |
員数 | 1 |
寸法(cm) | 218.5×333.3 |
材質 | 綿布、合成樹脂エナメル塗料 |
材質英文 | Acrylic lacquer on cotton canvas |
制作年(西暦) | 1985 |
制作年(和暦) | 昭和60 |
受入年度(西暦) | 1989 |
受入年度(和暦) | H1 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 現代 |
解説 | 原色で塗られた放電管とコードを取り付け、点滅させる《電気服》(1956年)に端を発するタブロー群の一つである。1957年にはすでに、電球を平面に並べて点滅させる作品を作って平面での解決へ向かおうとする兆しがみえていた。本作でも形態と色彩に関しては、全体に配された電球の光を表す鮮やかな色彩の同心円と、電気を運ぶ配線が画面構造の基本となっている。ただ、約30年間にわたって様々なヴァリエーションを経てきたこともあり、色彩の輪で囲まれた丸い余白のいくつかは色とりどりのコードの交差ポイントをなすなど、はじめの即物性からは離脱をとげている。にもかかわらず、画面中央部で白い地を背景に密集したコードの束は、人体の大動脈のように支配的な流れを作って、画面の各部へパワーを送り込み、“配線計画”を継承する要素となり得ている。なお、田中の円とコードのコンビネーションのもうひとつの根源であるベルの作品を重ね合わせてみることによって、瞬時にコードを伝わる電気によってそれぞれの円形から発せられる音の響きを考えることもできるだろう。電気の力を使った50年代の先駆的な造型の試みは、光の点滅や、音の連続と言う時間性の余韻を残しつつ平面に収斂されてゆく。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 139 |