Masse Noire

作品名よみまっすのわーる
作品名(欧文)Masse Noire
作者菅井汲
種別油彩画
受入番号878
枝番号0
分類番号O-096
員数1
形状額装
寸法(cm)195.0×130.0
材質キャンヴァス、油彩
材質英文Oil on canvas
制作年(西暦)1964
制作年(和暦)昭和39
記銘、年紀(右下)SUGAÏ 64.
受入年度(西暦)1989
受入年度(和暦)H1
受入方法購入
キーワード現代
解説塗りにかすれを交えたカリグラフィー様の作風から、明快なフォルムと色彩へと移行してゆく1960年代の代表作品のひとつである。1965年のサンパウロ・ビエンナーレに出品され、外国作家最優秀賞を受けた。
ブルーの地に黒い円が移動してゆく4段階を1つのマッス(量塊)としてとらえ、マットな黒の色面で表わしている。そのフォルムの上下に見られる黒の曲線は、計算して地塗りを残した上で、かすれた効果を出している。これは円形の回転のスピード感であろうか、以前の作風の残滓であろうか。晴天を思わせるブルーは、大気に満ちた青空のように黒い塊の輪郭をくっきりときわだたせ、その重量を支えている。このくびれた楕円のフォルムは、紫、青、赤といった異なる色彩でのヴァリエーションもつくられた。またこのフォルムが2つに割れて、中央に鮮明な色彩や新しいパターンが溢れかえり、スピードと爽快さを合わせ持つ「オートルート」のシリーズへと発展する。スタイルの過渡期にあって、大きなエネルギーを含んだ卵の役割を持っていたフォルムともいえるだろう。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 140

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