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蒙古襲来之図

作品名よみもうこしゅうらいのず
作品名(欧文)Mongolian Invasion of Japan
作者菊池容斎
種別日本画
受入番号855
枝番号31
分類番号J-176
員数1幅
形状掛幅装
寸法(cm)161.2×83.2
材質絹本淡彩
材質英文Slight color on silk, hanging scroll
制作年(西暦)1862
制作年(和暦)文久2
記銘、年紀(右下)「壬戌如月 容斎老人」 白文方印『武保』
受入年度(西暦)1987
受入年度(和暦)S62
受入方法山下一郎氏寄贈
キーワード風景
解説「元寇」として知られる鎌倉時代の「文永の役」「弘安の役」に取材した作品。この二度の戦役でともに大風がおこって蒙古(元)の軍船を沈没させたことは、あまりにも有名である。本図はまさにその劇的場面をとらえた作品で、空には暗雲が立ちこめ、松林が激しい風にあおられる中、様々な甲冑をまとった軍兵たちが、岸辺から沈みゆく船を見守っている。容斎は空、波、松を巧みな筆さばきで描き分け、この劇的場面を盛り上けている。
「元寇」を絵画化した作品としてすぐに思いうかぶのは、《蒙古襲来絵巻》(1293・御物)であるが、それ以降画題としては取り上げられることは決して多くなかった。容斎があえてこの題材に取り組んだのは、当時の西欧列強による対外危機をふまえ、攘夷思想の高揚を促そうとしたためとも考えられている。なお、容斎は本作品制作の15年前の弘化4年(1847)にすでに《蒙古襲来図》(束京国立博物館蔵)を描いているが、本図ではそれを精緻な筆致で推し進め、絵画作品としての質を高めている。容斎代表作のひとつである。

(当館旧ウェブサイト 作品解説より)

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