牡丹孔雀図

作品名よみぼたんくじゃくず
作品名(欧文)Peonies and Peacock
作者長沢蘆雪
種別日本画
受入番号839
枝番号0
分類番号J-150
員数1幅
形状掛幅装
寸法(cm)185.0×97.0
材質絹本着色
材質英文Color on silk, hanging scroll
制作年(西暦)1793 - 1799
制作年(和暦)寛政5 - 11
記銘、年紀(右下)「蘆雪寫」 朱文連印『長澤』『魚』
受入年度(西暦)1987
受入年度(和暦)S62
受入方法購入
キーワード京都
解説牡丹と孔雀、華麗さをほこる花と鳥の代表を組合わせリアルに再現する。この主題は、旧円満院画(萬野美術館蔵)をはじめとする応挙の画にはじまり、円山四条派の好画題となった。蘆雪は、応挙の孔雀図を二十代後半に忠実に模写している。
蘆雪四十代初の制作と推定される本図も、そうした応挙学習が基礎にあることはいうまでもない。しかし本図は静的な応挙画とは対照的に動的であり、この点、蘆雪独自の絵画に発展している。たとえば、孔雀の羽根にかすれた墨線をそのまま残し、玉模様を意識的に変形させ、岩の描写には、蘆雪独特の水墨のにじみを生かした表現を見せている。こうした特異な形態感覚が画面全体に波及し、動感をもたらしているのである。 また、蘆雪の旺盛な好奇心が、本図の様々なモチーフを取り込ませていることも見逃せない。孔雀と牡丹以外に、キンケイ・文鳥・雀・ハッカ鳥・野バラ、空中や花にモンシロチョウ、さらに注意しないと見過ごしてしまうが、地面や花弁に米粒ほどの大きさでアリやクモまでを描いているのである。蘆雪晩年の秀作である。
なお、類似の図様をもち本図より小振りな同主題画が逸翁美術館(大阪府)に所蔵されているが、そこにはアリやクモは描かれていない。また、本図を下敷にして描かれた八田古秀(伝記不明、蘆雪系の画人と想定されている)画が知られている。

(当館旧ウェブサイト 作品解説より)

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