右隻

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蘭亭曲水図屏風

作品名よみらんていきょくすいずびょうぶ
作品名(欧文)Lanting Gathering
作者狩野永納
種別日本画
受入番号835
枝番号0
分類番号J-146
員数6曲1双
形状屏風装
寸法(cm)各153.5×359.0
材質紙本金地着色
材質英文Color on gold-leafed paper, a pair of six-fold screens
制作年(西暦)17世紀後半
制作年(和暦)江戸時代前期
記銘、年紀(右隻右下・左隻左下)「永納筆」 白文方印『山静』 白文方印『永納』
受入年度(西暦)1986
受入年度(和暦)S61
受入方法購入
解説蘭亭曲水は、東晋の永和九(三五三)年三月三日に、浙江省の蘭亭に王義之(三〇三-六一)が文士四十一人を集め修禊(みそぎ)を行った故事に由来するもの。曲折した流水に杯を流し、自らの前を過ぎるうちに作詩をし、詩ができなければ罰として杯を空けるという風流な趣向を描く。蘭亭曲水図は江戸時代を通じて好まれた画題で、十七世紀には、狩野山雪・永納父子や、狩野探幽、安信など、京・江戸の狩野派がともに描く画題となった。
本作は、李公麟の原画を基にしたとされる、明代に朱有燉(しゅゆうとん)(一三七九-一四三九)によって翻刻された拓本『蘭亭修禊(しゅうけい)図巻』を基に絵画化されており、そのうえで、山雪の「蘭亭曲水図屏風」(随心院)などの作例に基づき、図様をアレンジしている。拓本と比較すると、文士の姿態はかなり改変されており、主要人物である王義之は、「王義之観鵞島図」の画題に倣い、蘭亭ではなく渓流沿いに描かれ、鵞鳥を抱える童子が王義之の傍に添えられている点が興味深い。
本作は、蘭亭曲水図の絵画化を得意とした山雪が、随心院本で執拗に推し進めた横長に展開する構図を、六曲一双の屏風にふさわしい場面構成、空間表現にアレンジしたものとみなされる。随心院本と比較すると、本作の空間構成は永納風に整理されていることが分かり、左隻の巨大な柳樹の表覬などは、永納の花鳥図屏風のそれに近い。永納は、拓本や山雪の蘭亭曲水図の図様を参照しつつ、永納らしい作品になるようにアレンジしていると考えられる。モチーフやパターンが整理されている点で、本作は京狩野派における蘭亭曲水図の定型の確立を示す作品とみなせよう。

※五十嵐公一 作品解説『狩野永納』(兵庫県立歴史博物館 一九九九年)
 山下善也 作品解説『狩野派の世界』(静岡県立美術館 一九九九年)
 松村多起子「狩野永納筆〈蘭亭曲水図屏風〉について」(要旨)
  (『美術史』一五六号 二〇〇四年)
 kazuko Kameda-Madar, Pictures of Social Network, PhD dissertation,
   University of British Columbia,2011.
 亀田和子「《蘭亭図》の図像解釈学-『楊模』と『庾蘊』のイメージを中心に」
  (『アート・リサーチ』一二号 二〇一二年)

2017年『美しき庭園画の世界―江戸絵画にみる現実の理想郷』、p. 150

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