/2
ユピテル神殿、ナポリ近郊ポッツォーリ
| 作品名(欧文) | The Temple of Jupiter at Pozzuoli near Naples / Temple de Jupiter à Pozzuoli près de Naples |
|---|---|
| 作者 | ユベール・ロベール |
| 種別 | 油彩画 |
| 受入番号 | 789 |
| 枝番号 | 0 |
| 分類番号 | O-075 |
| 員数 | 1 |
| 形状 | 額装 |
| 寸法(cm) | 39.1×43.8 |
| 材質 | 板、油彩 |
| 材質英文 | Oil on panel |
| 制作年(西暦) | 1761 |
| 受入年度(西暦) | 1986 |
| 受入年度(和暦) | S61 |
| 受入方法 | 購入 |
| キーワード | 風景、西洋 |
| 解説 | 1760年春、ユベール・ロベールは、美術愛好家ジャン=クロード・リシャール・サン=ノンや画家ジャン=オノレ・フラゴナールとともに南イタリア旅行に出かけた。本作の舞台となったのは、ナポリの西に位置する古代の港湾都市ポッツォーリに残るマケルムである。マケルムとは、主に食料品を扱った、古代ローマの市場またはその建物を指す。古代ローマ時代にプテオリと呼ばれたこの町の市場は、フラウィウス朝時代(1世紀)に建設された。長らくこの場所はセラピス神殿と誤認されてきた。それは古代エジプトの神セラピスの彫像が発掘されたためで、ユベール・ロベールらよりも10年前にこの町を訪れた版画家シャルル=二コラ・コシャンも、1754年に出版した『ヘルクラネウムの古代に関する観察』において、セラピスに捧げられた神殿と記している。 ユベール・ロベールは本作で、実景を元に創作を加えた。マケルムの構造は、16本の柱を持つ円堂を中央にして、その周囲の矩形を円柱で取り囲み、さらにその外側に店舗が入った小部屋が並ぶという造りである。本作では、円柱と店舗の小部屋とが混合され、さらに当時すでに消失していた円堂が再現されている。考古学的な正確さを目指すよりも、豊かな想像を取り混ぜ、当代の人物を添景に優雅な情趣で古代の遺跡を描き出す手法が発揮されている。なお、本作とほぼ同様の構図が、後にサン=ノンの著作に図版として挿入された。 2019年『古代への情熱―18世紀イタリア・考古学と芸術の出会い』、p. 167 |