酒津の庭(水蓮)

作品名よみサカツノニワ(スイレン)
作品名(欧文)The Garden in Sakazu (Water Lilies)
作者児島虎次郎
種別油彩画
受入番号782
枝番号0
分類番号O-073
員数1
形状額装
寸法(cm)81.0×65.0
材質キャンヴァス、油彩
材質英文Oil on canvas
制作年(西暦)1924 - 1928頃
制作年(和暦)大正13 - 昭和3頃
受入年度(西暦)1985
受入年度(和暦)S60
受入方法購入
キーワード風景
解説1913(大正2)年、児島は結婚し酒津の大原別邸(無為村荘)で暮らす。翌々年には園内にアトリエを新築し酒津定住を決意した。本作は日記の「画室前に金魚池をつくるために今日から石工が来た」(大正13年7月5日〉、「午後、池の睡蓮を描く。爽涼の風に少し気力を回復した」(同年9月6日)などの記述に関連するかもしれないが、没する前年にも金魚池の睡蓮写生の記事がある。いずれにせよ、大作でないだけに作者の本領が出た、晩年のフォーヴ調をよく示す佳品と言ってよい。第一次渡欧後の児島は、主観的描写を求めて次第に筆致を粗放にし、この絵の赤と緑の補色対比に見るような、フォーヴ調の絢爛たる色彩効果を求めていく。しかし金魚池の方形という建築的要素が色彩の乱舞を抑制し、後景の樹林と淡い色調で関連づけられているのは、アカデミックな均衡を重視する彼らしい描法となっている。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 112

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