祭壇の男

作品名よみさいだんのおとこ
作品名(欧文)Man at the Altar
作者坂田一男
種別油彩画
受入番号781
枝番号0
分類番号O-072
員数1
形状額装
寸法(cm)80.0×60.0
材質キャンヴァス、油彩
材質英文Oil on canvas
制作年(西暦)1926
制作年(和暦)大正15
記銘、年紀(右下)26 SAKATA
受入年度(西暦)1985
受入年度(和暦)S60
受入方法購入
解説フェルナン・レジェの研究所で学んでいた滞仏期の作品。坂田はそこで身につけた人体の単純化と、その画面内でのコンポジションを、抽象という側面でいえば師よりも急進的に探求した。中央部に一つだけ据えられた人体部分に、レジェを思わせる立体感の表現がかなり控え目に配されている。画面全体の垂直水平の分割においては、グリザイユ様の灰色の階調の面積と白と黒の面積が大部分を占め、レジェの1925年頃の画風に近似し明るい茶色がアクセントとして僅かに、ごく薄い茶色がニュアンスとして用いられている。
倉敷市立美術館の生誕100年記念展(1988年)のカタログでは、本作の人体の胸部と頭髪の表現に基づいて、タイトルの「男」が疑問視されている。左手の指が掴んでいる曲った棒状のものが、胸部の丸い立体と繋がっているかどうかが鍵になるかもしれない。同時期の《坐わるⅣ》(個人蔵)は、手指の表現、モティーフの位置、黒の色面の配置、四辺の白い縁取りなどをみても本作と対をなす作品と考えられる。これと比較しても、本作の対象は女性である可能性が強いと考えられるだろう。

1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 119

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