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濤の塔
作品名よみ | なみのとう |
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作品名(欧文) | Waving Tower |
作者 | 大西清澄 |
種別 | 彫刻 |
受入番号 | 765 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | S-015 |
員数 | 1 |
形状 | 立体 |
寸法(cm) | 368.2×183.0×137.3 |
材質 | ステンレス |
材質英文 | Stainless steel |
制作年(西暦) | 1985 - 1986 |
制作年(和暦) | 昭和60 - 61 |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
解説 | 彫刻プロムナードの建設にあたってノミネートされた作者が、現場の環境に留意して新たに制作した作品。彎曲するステンレスの鏡面体を簡明に構成しこれに周囲の景観を多様に映し出している。当館に寄せられた作者の説明書によれば、本作の主題は、勇気・情熱・ロマンといった男性的意志の象徴としての「崖」であり、“崖が招き、崖が輝き、崖が昇り、崖が構築する”結果の、孤絶に輝く上昇感の表現がその趣旨であるという。--- 作者は40歳代の半ばから独学で環境彫刻を制作し、また人間の日常を哲学的に批判した長編小説を刊行するなどして、自己分析に基づく本来的な人間像の解明に努めてきた。例えば小説《時間人間》(1971・昭和46)のエピローグには、刃傷沙汰のあげく妻に逃げられた「私」が、「死の真中に鮮やかに浮かび「上がった生の光景の如く」、少年の頃から見なれた崖に眺め入る場面があったりする。かように「崖」は、生に対する作者の強靭な意志を寓意するものであり、その簡明な造形のうちに、作者は自身の生の形を定着しようと努めている。《濤の塔》について作者は言っている。「生とは、形へのあくなき執念であろう。幾何学との接点としての美一バランスだけが確かである。観念の統合と体系は、その時見えるものとなる。---曲線や波形は、頼りなく繰返したり崩れ去る物の図様ではない。指示し構築し変貌する運動である。字宙も光も電気も波。懸崖や山脈は地層の波。彫刻や塔は、人間の内なるマグマの意識界に吹き上けた人工崖ともいえよう。」 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 162 |