東山粟田口
作品名よみ | ひがしやまあわたぐち |
---|---|
作品名(欧文) | Higashiyama Awataguchi in Kyoto |
作者 | 近藤浩一路 |
種別 | 日本画 |
受入番号 | 758 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | J-137 |
員数 | 1幅 |
形状 | 掛幅装 |
寸法(cm) | 72.0×84.0 |
材質 | 紙本墨画 |
材質英文 | Ink on paper, hanging scroll |
制作年(西暦) | 1925 |
制作年(和暦) | 大正14 |
記銘、年紀 | (右下)「乙丑新秋於洛中画禅室 浩一路写」 朱文長方印『浩一路』 |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 静岡、風景 |
解説 | 「私は洋画から出発して日本画になった一人だが、さてどういう動機で転向したと訊かれれば、別に何かに感激して心機一転したというような間題があるわけではない。いわば極めて微妙な心境の変化でそれが自分にとっては自然な経路だったというより外はないのである。」と、浩一路は自らの画家としての道のりを語っている。(「水墨余滴」『塔影』16巻6号 1940・昭和15年6月)しかしこのような経緯で出発した日本画とは、浩一路にとって、伝統的な画法に則って描くものではなく、何よりも自らの資質にあった、又自らの感覚に忠実な表現の世界を意味していた。 そして浩一路は、画面づくりにおいて、日本の風土の自然なかたちでの表現をめざしていたが、これはまさに、洋画家から出発したことによっているのであり、この問題をうるおいのある水墨技法と細やかな光の感覚のうちに解決している。 そのためにその風景画は、従来の水墨画にはあまり試みられていない、木洩日(こもれび)や外光を積極的に描き出しているものの、独特の豊かな墨色やかろやかな運筆により、繊細で抒情的な雰囲気をたたえていると言えよう。 本図は浩一路が京都に移り住んでから2年目の秋に描かれた作品で、鬱蒼とした木立の彼方に、秋の霧が深くたちこめる東山の山麓を描いている。 浩一路の作品は、横二尺(約60センチ)の小品が多いが、本図は異例とも言うべき大画面の中に、水墨の豊かな、そして細やかな表現がそれぞれ調和をもって用いられており、密度の高い画面を形成している。 (当館旧ウェブサイト 作品解説より) |