神域より天の香具山を望む
作品名よみ | しんいきよりあまのかぐやまをのぞむ |
---|---|
作品名(欧文) | View of Mt. Amanokaguyama from the Sanctuary |
作者 | 石川欽一郎 |
受入番号 | 754 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | W-013 |
員数 | 1 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 48.0×58.0 |
材質 | 紙、水彩 |
材質英文 | Watercolor on paper |
制作年(西暦) | 1940頃 |
制作年(和暦) | 昭和15頃 |
記銘、年紀 | (右下)Isikawa-kin [□+欽/印] |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 静岡、風景 |
解説 | 前景の湿地と空とを大きく捉え、中景の香具山と霞む遠山で区画している。右手の木立の下には、日の丸の旗を立てた小屋と、農耕あるいは祭事、さもなくば遺跡発掘調査に従事するものと思われる人物群が配され、もう一群の人物群や香具山周辺の家並共々、広い前景と過度に圧縮された感のある中景との間を繋げている。この画面構図と対象描写や賦彩には、師事したと伝えられる浅井忠や川村清雄の風景画の影響を指摘することも可能であるが、後期の作品に特有な洒脱な筆致に水彩画運動の先駆者である作者の老練な独自の技法、朧気に満ちた大気の中で判然としない事物やそれらとの距離、謎めいた全体の場面設定とに、作者の汎神論的な自然感を窺うことができよう。それは、強化されていく当時のナショナリズムへの反発を孕みつつ、青年時代の欧化礼賛から台湾にあって東洋を強く意識するに至る作者が、深化させて来たところの、作者独自の思想と表現である。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 109 |