能役者
作品名よみ | のうやくしゃ |
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作品名(欧文) | The Noh Actor |
作者 | 山口源 |
種別 | 版画 |
受入番号 | 750 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | P-081 |
員数 | 1 |
寸法(cm) | 86.5×47.0 |
材質 | 紙、木版 |
材質英文 | Woodcut on paper |
制作年(西暦) | 1958 |
制作年(和暦) | 昭和33 |
記銘、年紀 | (左下)印章 源(朱文方印) |
発表展 | 第5回ルガノ国際版画ビエンナ-レ展(グランプリ) |
開催年 | 1958 |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 静岡 |
解説 | 右横向きの人物頭部と肩を連想させる形体が柔らか味のある木版特有の色面によって構成され、地の灰色と調和して幽玄さを漂わす。「民族の必然的露出、特定のモデルはない。私の私だけのイメージにすぎません。」とし、「イメージが作家の側に発酵しつつあるとも、その外部の世界に“材料”を発見し、その両者の交合によって作品が結晶して行く」と自ら語っている通り、水気の多い木版の刷りによって漠然とした空間を暗示し、その定かならぬ空間の中に流木という有為転変を経た“素材”の有り様をそのままに置き、超日常的な時間・空間をその場面設定とする能の演者に見立てて《能役者》と題する。しかし、そこには日本の芸能、芸術、絵画が古来から伝統的に持ってきた高い象徴性と抽象性を見る者に気付かせる企みが秘められている。第5回ルガノ国際版画ビエンナーレにおいてグランプリを受賞し、作者の代表作とされる本作からは、人種国籍を超えて国際的普遍性を持つ抽象絵画の表現に努めて来た作者が「民族の必然的露出」と述べる時の心中の、苦渋にも似た感情に思い致らされる事となる。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 130 |