無題(黒)
作品名よみ | むだい(くろ) |
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作品名(欧文) | Untitled (Black) |
作者 | 桑山忠明 |
種別 | 油彩画 |
受入番号 | 745 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | O-066 |
員数 | 1(2) |
寸法(cm) | 173.0×344.5 |
材質 | キャンヴァス、アクリル |
材質英文 | Acrylic on canvas |
制作年(西暦) | 1961 |
制作年(和暦) | 昭和36 |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 現代 |
解説 | アクリル溶剤でといた顔料の黒を一様に塗った、ほぼ正方形のフォーマットが横に2つ並置されている。額装はされておらず、カンヴァスの側面が、表面より少し薄い黒で塗られているのみである。表面の黒は艶がなく、画面全体に渡って、秩序をもって微かに横に走っている顔料の盛り上がりが唯一の綾である。全体が横長のフォーマット、水平方向の塗の綾、これら絵画として成立し得る最小限の要素を分割しているのは、2つの平面が隣り合った2辺の隙間であり、いうなれば無である。この無は、額縁のない両端にも存在し、そこもまた一枚の黒の平面が並べ置かれる可能性を有した無といえる。 桑山の初期作品の表面処理やコンセプトは、静かではあるが大きなインパクトを持っていて、ミニマル・アートの代表的作家ドナルド・ジャッドも彼に言及しているほどであり、以後も、事物性への接近、絵画空間の問題、絵画における装飾性の問題などとともに盛んに論じられてきた。それはテクニックの極に位置し、逆説的な言い方ではあるが、黒という色の観念の、この世における理想的なサンプルといえるかもしれない。 1996年『静岡県立美術館コレクション選』、p. 141 |