残照
作品名よみ | ざんしょう |
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作品名(欧文) | Afterglow |
作者 | 中村岳陵 |
種別 | 日本画 |
受入番号 | 742 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | J-132 |
員数 | 1面 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 94.5×120.0 |
材質 | 紙本着色 |
材質英文 | Color on paper, framed |
制作年(西暦) | 1961 |
制作年(和暦) | 昭和36 |
記銘、年紀 | (左下)朱文長方印『岳陵』 |
発表展 | 第4回新日展 |
開催年 | 1961 |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 静岡、風景 |
解説 | 夕暮をむかえた冬の雑木林を描いた作品。画面下辺部の地平線からは、既にタ闇が迫って来ているものの、茜(あかね)色にそまった空は微妙な諧調を示し、金泥の雲も残照の美しさを高めている。更に葉を落とし、様々なかたちに枝を広げた樹木が、近景から遠景へと、シルエットのように描き込まれている。 本作品について岳陵は、「大自然の悠久、微妙で厳粛な天理の情景を敬虔な気持で描いてみた。特に東洋的水墨画の趣致と云った、感懐を加えて表わしたかったのであった。」と語っている。 しかし、明るい夕焼の空と暗黒の木々、又色面としてとらえられた空と線描による梢のコントラストは、本作品の重要な要素(エレメント)である。又緊密でとぎすまされたその造型感覚は、狭義の自然観察や写生をこえて、一種のデザイン的側面をも示しており、この点で、岳陵の画業と琳派作品との密接な関係を指摘することができる。 《婉膩水韻》(えんじすいいん)(1931・昭和6)や《都会女性職譜》(1933・同8)により、風俗画にひとつの境地をひらいた岳陵は、戦後、風景画に新たな世界を追求していった。 とりわけ、ゆるやかな山丘に枝をはる樹木を描く一連の作品には、樹林というモティーフと、それらをつつむ季節や時刻の変化について、細かな配慮のなされたものが多い。その中でも本作品は、《雪晴》(1956・昭和31)と共に、岳陵の風景画の展開をみる上で、重要な位置をしめる作品である。 (当館旧ウェブサイト 作品解説より) |