雨
作品名よみ | あめ |
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作品名(欧文) | Rain |
作者 | 徳岡神泉 |
種別 | 日本画 |
受入番号 | 741 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | J-131 |
員数 | 1面 |
形状 | 額装 |
寸法(cm) | 110.7×143.7 |
材質 | 紙本着色 |
材質英文 | Color on paper, framed |
制作年(西暦) | 1964 |
制作年(和暦) | 昭和39 |
記銘、年紀 | (左下)「神泉」 白文方印『神』 |
発表展 | 第7回新日展 |
開催年 | 1964 |
受入年度(西暦) | 1985 |
受入年度(和暦) | S60 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 風景 |
解説 | 神泉は、自己との精神的融和をめざした対象(モティーフ)の徹底した観察・写生を終生追求し、「装飾性」と「叙情性」の伝統の強い花鳥画の世界に、「抽象性」と「象徴性」と言うべき新しい要素(エレメント)をもたらした画家として知られている。 すなわち、神泉の画業は、≪椿≫や≪蓮≫(いずれも1922・大正11年頃)にみられるように、京派のやわらかな写生技法に宋元画の厳格な写実性を加味し、対象(モティーフ)の見事なまでの質感表現をめざした作品から、《菖蒲》(1939・昭和14年)を契機に、簡潔でかつ絶対的な構図(コンポジション)のうちに対象(モティーフ)を単純化しつつとらえることによって、その本質を表出しようとする画面へと、大きく展開している。「雨」と題された本図は、まさに後者の、ひとつの帰結を示す作品である。 どんよりと低くたれこめる空をうつしたような池の面と苔むした大小ふたつの飛石-この限定され、払切りつめられた対象(モティーフ)間の緊張関係をうち破るかのように、降り出したばかりの雨滴が、静かに白い波紋を広げてゆく光景が描かれている。 しかしながら本図で最も注目すべきは、神泉が饒舌な道具立を一切排し、ごく身近な自然の景のうちに、緊迫した「刻(とき)」- 一瞬の時の移ろい-を明確に表現している点である。その意味で本図は、「動」と「静」、「天」と「地」と言う対照的な俳優達が織り成す心理劇(ドラマ)とも、みることもできる。 (当館旧ウェブサイト 作品解説より) |