ゲーテ作『ファウスト』 : 学生酒場のメフィストフェレス

作品名(欧文)Faust, Tragedy by Goethe : Mephistopheles in the Tavern of Students / Faust, Tragedie de M. de Goethe : Méphistophélès dans la taverne de Étudiants
作者ウジェーヌ・ドラクロワ
種別版画
受入番号740
枝番号8
分類番号P-080
員数1
形状
寸法(cm)31.1×23.8
材質紙、リトグラフ
材質英文Lithograph on paper
制作年(西暦)1828
記銘、年紀(左)Delacroix invᵗ et Lithog: (右)Ch: Motte, Impʳ Editeur à Paris. (中央)_ Au feu! à l'aide! l'enfer s'allume_ Sorcellerie! jetez-vous sur lui... son affaire ne sera pas longue.
受入年度(西暦)1985
受入年度(和暦)S60
受入方法購入
キーワード西洋
解説悪魔と手を結んだファウストの遍歴の始まり。ライプツィヒのアウエルバッハの酒場で、酔っ払いの学生たちを前に、メフィストがファウストに自分の魔力を誇示する場面。このモデルとなった酒場は実際に存在するという。学生の最後の言葉(「炎だ! 助けてくれ! 地獄の炎だ! 魔法だ! やっちまえ! こいつは斬ってもおとがめなしだ!」)は、中世、魔法使いは法律の保護を受けないことになっていたことを示す。
ゲーテはこの版画を所有し、次のように感想を述べた。「アウエルバッハのあらあらしい酒盛の場が描かれていた。しかも、絵全体の核心として、一番こぼれ出た酒が炎となって燃え上がり、酒を飲んでいる連中の獣性がじつにさまざまに現れている最も重要なあの瞬間が描かれていた。すべては激情と衝動そのものであり、ひとりメフィストフェレスだけが、いつもながら晴ればれしく落ち着いている。荒々しい呪いと叫びや、すぐ隣りに立っている男のさっと抜いたナイフも、彼には一向に気にならない。テーブルの隅っこに座って、足をぶらぶらさせている。彼が指を一本さっとあげるだけで、炎と激情は消えてしまうのだ」。(1)

(1) 1826年11月29日、エッカーマンとの対話より。2001.ヨーハン・ペーター・エッカーマン著、山下肇訳『ゲーテとの対話』(上)、岩波書店、235頁。

2005年『誘惑の光景―19世紀のロマン主義版画・ドラクロワ、ジョン・マーティンなど―』、p. 113

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