海運橋(第一銀行雪中)
作品名よみ | かいうんばし(だいいちぎんこうせっちゅう) |
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作品名(欧文) | The Kaiun Bridge (The First Bank in Snow) |
作者 | 小林清親 |
種別 | 版画 |
受入番号 | 698 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | P-053 |
員数 | 1枚 |
形状 | 大判錦絵 |
寸法(cm) | 24.4×36.5 |
材質 | 紙、木版、色摺 |
材質英文 | Colored woodblock print on paper |
制作年(西暦) | 1876 |
制作年(和暦) | 明治9 |
記銘、年紀 | (右下)「小林清親筆」 |
受入年度(西暦) | 1984 |
受入年度(和暦) | S59 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 静岡、風景 |
解説 | 前年に架け替えられた石造の海運橋が画面手前と奥をつなぎ、橋向こうには第一国立銀行がそびえる。明治5年に竣工したこの建物は、2階までの洋風のつくりの上に和風の建築を載せる和洋折衷の様式であったが、画中では下層の洋風部分が見えず、その豪壮な全貌は示されていない。薄暗い空を背景に雪をかぶる姿は、しっとりとした冬景色の中に案外なじんで見える。藍色の空を飛ぶ三羽の鳥も、建物の新旧に関心はなかろう。派手な色彩によって開化の風物を強調する開化錦絵とは明らかに異なる情感であり、それは一連の「東京名所図」に共通する特徴といえる。 前景に番傘をさした後ろ姿の女性を配して鮮やかな赤を添えるのは、《東京新大橋雨中図》と共通する手法。番傘に「銀座」「岸田」との文字が読めるが、これは清親とも親交のあった岸田吟香(劉生の父)が銀座に構えた目薬や文具を扱う店の宣伝とみられ、やはり開化のイメージが読み取れる。女性は、開化を象徴する建築と江戸以来の情緒が両立する風景に歩み入りつつ、自らも新旧両方の世界を体現している。 2021年『STORIES ストーリーズ 作品について学芸員(わたしたち)が知っていること』、p. 66 |