月夜楓図
作品名よみ | げつやかえでず |
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作品名(欧文) | Maple Tree under Moonlight |
作者 | 酒井抱一 |
種別 | 日本画 |
受入番号 | 664 |
枝番号 | 0 |
分類番号 | J-122 |
員数 | 1幅 |
形状 | 掛幅装 |
寸法(cm) | 99.4×40.3 |
材質 | 絹本墨画 |
材質英文 | Ink on silk, hanging scroll |
制作年(西暦) | 1817 - 1828 |
制作年(和暦) | 文化14 - 文政11 |
記銘、年紀 | (左下)「画僧抱一写於雨華庵南牕」 朱文印『鴬村』 |
受入年度(西暦) | 1983 |
受入年度(和暦) | S58 |
受入方法 | 購入 |
キーワード | 風景 |
解説 | 月の光を浴びる楓を水墨によって描いた作品である。抱一は尾形光琳に学んだ鮮やかな彩色による花鳥画を得意としたが、水墨画にも優品を残している。本作は抱一の水墨による花鳥画の典型的な作例であり、月光に浮かび上がる楓が墨の濃淡によって巧みに表されている。楓の葉には葉脈を金泥線で表し、筆線の強弱、金泥の濃淡によって、月光の当たる楓の葉を描き分けている。淡墨による楓葉の葉脈には、微かに光る金泥線が、濃墨による楓葉の葉脈には、強い金泥線が用いられており、光の強く当たる葉を濃墨によって表していることを連想させ、光と影を反転させたような表現が注目される。 本作は、款記より、抱一晩年の雨華庵時代の作品であることが分かる。十九世紀の江戸画壇においては、抱一が交友した谷文晁をはじめ、水墨画における伝統的なテーマである、光と大気の表現を追究する画家が活躍した。本作は、抱一がそうした江戸画壇における潮流に関心を抱いていたことをうかがい知れる作品であり、抱一様式の特徴をよく示す作品と言える。 ※松尾知子 作品解説『酒井抱一と江戸琳派の全貌』(求龍堂 二〇一一年) 2019年『対立と融和―十九世紀の江戸画壇』リーフレット、p. 44 |