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妄 : 女の妄

作品名(欧文)The Follies (The Proverbs) : Feminine Folly / Los Disparates (Los Proverbios) : Disparate feminino
作者フランシスコ・デ・ゴヤ
種別版画
受入番号656
枝番号1
分類番号P-029
員数1
形状マット装
寸法(cm)21.3×32.0
材質紙、エッチング,アクアチント
材質英文Etching, acquatint on paper
制作年(西暦)1815 - 1824(1864出版)
受入年度(西暦)1983
受入年度(和暦)S58
受入方法購入
キーワード西洋
解説《妄》はゴヤによる四大連作版画集のうちの一つで、前に制作された連作版画《気まぐれ》との直接的な関連が指摘されている。しかし《気まぐれ》では、画家自身が付けた各作品の題名や順番から内容が説明されやすいのとは異なり、《妄》の場合は手がかりとなるものが少なく、ゴヤの死後、さまざまな解釈を呼んでいる。
制作は《闘牛》の連作と同じ頃に始まったといわれているが、出版までにはそれから約50年の歳月を要し、そのときにはすでにゴヤは没していた。22点からなる連作のうち14点の試し刷りに画家自身が付した題名から、1865年に批評家メリーダが《妄(ディスパラーテス)》という題名を用いて以来、同題で知られている。しかし、1864年に王立サン・フェルナンド美術アカデミーから初めて出版されたときは、《諺》という題名が付けられていた。このときには22点のうち4点が除かれ、18点が連作として確定されているが、題名と同時にこれらの選択にかかわる根拠は明らかになっていない。
トーマス・ハリスはスペインに残る「諺」を個々の作品に当てはめ、解釈を試みているが、謎と寓意に彩られた表現に明確な解釈を与えることは困難である。ゴヤはエッチングとアクアチントを組み合せた卓越した技術によって、人物や怪物などを漠然とした空間の中に浮かび上がらせ、人間や社会の内奥に渦巻く虚偽や不安を鋭く描き出しているといえよう。

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