奥の細道画冊

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奥の細道画冊

収蔵番号02818
大分類絵画、書
寸法縦41.0cm×横32.0cm×高4.2cm
材質・形状木版画
製造年月日1932年7月10日
公開解説 昭和7年(1932)に春陽堂から発行された洋画家・日本画家の小杉放菴による作品です。
 小杉放菴は本名を国太郎といい、明治14年(1881)に栃木県日光町(現在の日光市)に生まれ、日光在住の洋画家である五百城文哉に師事した後に上京し、執筆活動や芸術活動に取り組みました。当初は「未醒」と号して活動していましたが、大正12年(1923)ころに「放庵」(後に「放菴」)と改め、水墨と淡水による日本画を描くようになりました。
 「奥の細道画冊」は木版画43点からなり、奥付には、著作者は小杉未醒、木版彫刻師は大倉藤太、木版印刷師は田口喜久松・岩田泰治の名前が記されています。また、画冊には『おくのほそ道』行程上の16か所について放菴が訪ねた際の感慨を記した小冊子が付いています。
 木版画はそれぞれ台紙に添付され、その上には『おくのほそ道』の該当箇所を印字した薄紙が貼られています。「第一段 千住」から始まり、「第四十段 大垣」まで『おくのほそ道』の43の場面が描かれています。なお、木版画の内、「荒海」「散柳」「等栽」には段が付いていません。
 放菴は、小冊子に「芭蕉翁奥の細道に興味を持つて居るところから、或年の秋思ひ立つて、連れと二人で一通り歩いて見たことがあります」と記していますが、昭和2年(1927)10月に画家の岸浪百草居とともに芭蕉の足跡を訪ねた旅行を指しているのではないかと思われます。木版画は、『おくのほそ道』の文意を考えたものの他、放菴の実見した風景が描かれています。

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