赤と緑の静物

作品名 よみあかとみどりのせいぶつ
TitleStill Life in Red and Green
作家/ Artist里見勝藏 SATOMI Katsuzo
制作年昭和3年
Date1928
寸法/ Size(cm)60.6×79.4
技法・材質油彩・カンヴァス
MediumOil on canvas
分類絵画
ClassificationPaintings
分類2油彩その他
Classification2Oil Paintings, etc.
作品番号/ Accession NumberOJZ0244000
作品解説里見勝蔵は、日本近代絵画においてフォーヴィスムの推進者として知られている。本作は、パリから帰国後二科展に属し、前田寛治や佐伯祐三らと「1930年協会」を起ち上げ、意気揚々と制作に励んでいた頃の作品である。
ガラスの器、お盆の上にある白い碗、2枚の写真に赤いテーブルクロス。それぞれに質感の異なる物が象徴的な形をとり、鮮やかな赤と緑の色彩対比が画面を引き締め、それらの存在感を強調する。また静物とは名ばかりで、動きのある筆致が、本来静的なはずの無機物に律動感を与え、見る者を圧倒する迫力を放っている。これらのモティーフは繰り返し構図を変え、他の作品にも繰り返し用いられており、またこの赤と緑の色は、のちの自著エッセイ集のタイトルに『赤と緑』とつけるほど、里見にとっては特別な思い入れのある配色であった。ヴラマンクから学んだ鮮やかな原色対比の原則を生かしつつ、本作はこれまでの静物というものの感覚とはかけ離れた斬新な発想から誕生し、今も鮮烈な光を放っている。

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