辰砂双頭壷

TitleTwo-mouthed jar in red glaze
作家/ Artist河井寬次郎 KAWAI Kanjiro
制作年昭和23年
Date1948
寸法/ Size(cm)14.0×23.0 高19.7
分類工芸
ClassificationCrafts
分類2陶磁
Classification2Ceramics
作品番号/ Accession NumberCRZ0187000
作品解説昭和初期から民藝運動に傾倒した寬次郎であったが、終戦を迎えてからは、次第に独自のスタイルを追求するようになり、実用陶から造形性を強く押し出した作風へと変貌を遂げていく。
二つの口を持つユニークなフォルムを示すこの作品は、生涯続けた寬次郎の作陶活動の中で後期の作風を示すものである。
胴部が膨らみ、柔らかな曲線を描く二つの壺が接ぎ合わされており、見る角度によって多くの表情を見せる。この作品に見られるような型による成形は、昭和初期より多く手がけ始めたものである。器面を覆う鮮やかな辰砂は、銅が還元焰によって発色するもので、作陶活動を始めた頃から生涯を通して寬次郎が好んで用いた釉薬であった。
見る者に作品をゆだね、感覚の縛られることを拒んだ寬次郎の作陶姿勢が、この作品の大胆な器形や鮮やかな発色を見せる辰砂に表われているようである。

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