松江大橋

TitleMatsue Ôhashi Bridge
作家/ Artist織田一磨 ODA Kazuma
制作年大正13年
Date1924
寸法/ Size(cm)26.0×39.0
技法・材質多色木版・紙
MediumColor woodcut on paper
分類版画
ClassificationPrints
作品番号/ Accession NumberPRZ0009000
備考新庄二郎氏寄贈
作品解説石版による自画・自摺の創作版画で知られる一磨だが、この作品は版元渡邊庄三郎より、新版画(絵師・彫師・摺師の分業による制作)の手法で刊行された多色木版である。木版でありながらも、彫師や摺師の優れた技術によって一磨の繊細で柔らかな描線が生かされている。松江風景の中でも、一磨が好み、多く描いた雪の松江大橋の景色である。ほかの大橋を描いた作品が遠くから大橋全体を望むのに対し、この作品では一磨自身が大橋の上に立ち、雪の中を行き交う人々を捉え、遠景には1914(大正3)年に架橋されたばかりの新大橋と、枕木山等の山並みを描いている。川岸には牡蠣船が繋がれ、右岸の二階屋で「錦海楼」と読めるのは、当時松江で評判の鰻屋。橋上の一番左の人物が背負っているのは、松江名物津田かぶ。宍道湖特有の西風にのって吹き付ける雪の中、傘を傾けて歩む日本髪の女性たち。ひとつの画面の中に、古きよき時代の松江の風物が盛りだくさんに描かれている。

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